(AR)人体の3D計測技術の基本部分の開発完了>産学連携

[2021.04.16 ニュースリリース]

株式会社アビスト(本社:東京都三鷹市、代表取締役社長:進 勝博)は、北海道大学 情報科学研究院 システム情報科学部門 システム創成学分野 金井理教授の技術アドバイスのもと、スマートフォン(スマホ)を利用した高精度な人体3D計測技術の開発をおこないました。

<技術利用イメージ> f:id:abist_maruyama:20210417082447p:plain

【技術開発の概要】

iPadのLiDARセンサーを用いた新たな足の3Dスキャン技術を開発し、合成された3Dモデルの誤差を10~20mmから1~3mmに抑制することができました。今回の技術開発により、高価格の専用設備によるスキャン精度が一般的なモバイルデバイスでも可能になり、靴や眼鏡などの通信販売、また、検品や設備検査に役立つと考えられます。

従来の3Dスキャン結果、誤差:10~20mm f:id:abist_maruyama:20210417081339p:plain

本技術開発による3Dスキャン結果、誤差:1~3mm f:id:abist_maruyama:20210417081455p:plain ※チェッカーボードは寸法基準としてのマーカーではなく、スキャンの精度を表すために使用(精度=柄の明瞭さ)

【技術の特徴】

  • 使い勝手:専用マットや基準になるマーカーなど、前準備が不要
  • 処理時間:リアルタイム~数分(求められる精度による)
  • 汎用性:どのような物でもスキャン可能(透明や光沢が高い物体を除く)

【技術の詳細】

iPadやiPhoneなど、最新のモバイルデバイスに搭載されたデプスセンサーは、精度や解像度が比較的低いため、ミリメートル単位の正確な測定が困難です。今回の技術開発は、次の方法でデプスセンサーの能力を上回る精度を可能にしました。

  • デプスセンサーの情報に加えて、高解像度なカメラの色情報や加速度センサーの位置情報を活用することで誤差を補正
  • センサーデータの正確さを判定して、誤差が小さい情報を優先的に活用
  • 様々な方向から取得したデプスや画像データを新たなレジストレーション方法によって精密に合わせることで、全体的なモデルの誤差を抑制

【効果・応用分野】

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【今後の取り組み】

特定のユーザーからのフィードバックをもとに使いやすさや性能を最適化し、広くご利用いただけるサービスとして展開していくことを検討しています。

【社内保有技術の融合】

今回の技術開発については、社内の以下の技術を融合して対応しています。

  • 3Dプリント事業:基準となる足モデルのプリンティングと評価のためのスキャンデータ作成
  • 設計開発アウトソーシング事業:3Dモデル生成技術
  • AIソリューション事業:物体認識技術

空間認識・ARソリューションの紹介ページ → https://ar.abist-ai.com/

【研究者紹介】

情報科学研究院 システム情報科学部門 システム創成学分野 金井理教授は、3次元幾何モデリングを核に大規模環境3次元レーザ計測や形状モデリングに関する技術開発を進めており、今回の技術開発において専門家としての技術アドバイスを受けました。

AIソリューション事業本部 URL.https://www.abist.co.jp/service/AI_solution.html Email.abist-ai@abist.co.jp

ニュースリリース:人体の3D計測技術の基本部分の開発完了